食事中にカリッと硬い感触がして、口の中から見慣れない金属の塊が出てきた。あるいは、鏡を見たら差し歯のような部分がぽっかり抜けている——。インプラントを入れている方が、ある日突然こうした事態に直面すると、頭が真っ白になってしまうものです。「せっかく高いお金をかけたのに壊れた」「もう埋め直しはできないのか」と、不安で夜も眠れなくなる方を、私は診療の現場で何人も見てきました。
まず落ち着いていただきたいのは、「抜けた・落ちた」といっても、その正体はいくつかのパターンに分かれるということです。土台となっているインプラント体そのものが骨から外れたのか、それとも上に被せた人工歯(上部構造)だけが取れたのか。両者では緊急度も対処も大きく変わってきます。この記事では、いざという時にあなたが取るべき応急処置と、その後の流れを、実際の診療目線でお伝えします。




