2026.08.02インプラント

インプラント一回法と二回法の違いとは?中目黒の歯科医が選び方を解説

インプラント治療を調べていると、必ずと言っていいほど出てくるのが「一回法」「二回法」という言葉。手術の回数が違うのはなんとなく分かるけれど、じゃあ自分はどっちを選べばいいのか。手術が一回で済むなら一回法のほうが体に優しそうだけど、二回法にもきっと理由があるはず…。そんなふうに迷われている方は、実際とても多いんです。

私自身、中目黒で診療をしていて、カウンセリングの場でこの質問を受けない週はほとんどありません。ネットの情報は「一回法は簡単で二回法は確実」といった単純な二項対立で語られがちですが、現場ではそう単純には割り切れません。骨の状態、感染リスク、審美的な要求。いくつもの条件が絡み合って、最適な術式は一人ひとり変わってきます。

ここでは、術式の本質的な違いから、当院が採用しているバイコンインプラントの構造がこの議論にどう関わってくるのかまで、できるだけ実感のこもった言葉でお話しします。

そもそも一回法と二回法は何が違うのか

ざっくり言うと、違いは「手術の回数」ではなく「歯ぐきの縫い方」にあります。二回法は、インプラント体(人工歯根)を埋め込んだあと、いったん歯ぐきを完全に閉じてしまいます。骨とインプラントがしっかり結合するのを、粘膜の下で静かに待つわけです。数か月後、二回目の小さな手術で歯ぐきを開き、頭出しをする。これが二回法の流れです。

一方の一回法は、インプラントを埋めた時点で、その一部(あるいは仮の土台)を歯ぐきから露出させたまま治癒を待ちます。頭出しの手術が不要なので、患者様の負担という意味では確かに軽い。傷口が一か所で済むぶん、腫れや痛みも比較的おだやかなケースが多いです。

ただ、ここで誤解してほしくないのは、一回法だから治りが早い、二回法だから安全、という単純な話ではないという点です。骨の量が十分にあり、感染リスクが低く、初期固定がしっかり得られる症例では一回法が選ばれやすい。逆に、骨造成を同時に行う場合や、感染源から粘膜でしっかり隔離して治したい場合には、二回法のほうが理にかなっていることも少なくありません。

二回法が選ばれる場面と、そのメリット

二回法の最大の強みは、治癒期間中にインプラント体を口腔内の環境から完全に遮断できることです。お口の中は、想像以上に細菌の多い環境です。粘膜の下でしっかり守られた状態で骨結合を待てるというのは、条件が難しい症例ほど大きな意味を持ちます。

たとえば、抜歯した直後で骨が薄い、あるいは骨移植材を併用して骨のボリュームを回復させながら埋入するケース。こうした場面では、移植した部位が動いたり感染したりしないよう、静かに守ってあげる必要があります。実際の診療でも、骨のコンディションに不安がある方には、あえて二回法をご提案することがあります。急がば回れ、という言葉がぴったりくる場面ですね。

骨再生の分野では、材料の研究も年々進んでいます。たとえばポリリン酸カルシウム(CPP)を用いた足場材料の研究では、多孔質構造にすることで骨の再生に有利な環境を作り出せることが示されています(2013年の動物実験)。さらにストロンチウムや血管内皮増殖因子(VEGF)を組み合わせることで、骨欠損の修復や血流の改善に寄与しうるという報告もあります(2015年・2019年)。これらは大腿骨頭壊死という整形外科領域の研究ではありますが、「骨をどう再生させ、どう守るか」という発想は、私たちインプラント医が骨造成を考えるうえでも通じるものがあるんです。二回法で治癒環境をしっかり確保する意義は、こうした基礎研究の視点からも裏づけられます。

一回法のメリットと、向いている方

一回法の魅力は、なんといっても患者様の負担が少ないこと。手術が一度で完結するため、二度目の外科処置への心理的なハードルがありません。「もう一回、歯ぐきを切るのか…」という不安を抱えずに済むのは、治療を最後まで前向きに続けていただくうえで、意外と大きな要素です。

治療期間の面でも有利になることがあります。頭出しの手術と、その後の治癒待ちが省略できるぶん、最終的な被せ物までの道のりがシンプルになりやすい。骨が十分にあって、埋入直後からインプラントがぐらつかず固定される(初期固定が良好な)方であれば、一回法は非常に合理的な選択肢です。

ただ、一回法は治癒期間中もインプラントの一部がお口の中に露出しています。ここで問われるのが、インプラントそのものの構造です。土台とインプラント体のつなぎ目に隙間があると、そこから細菌が侵入し、内部で炎症を起こすリスクがある。だからこそ、どんなインプラントシステムを使うかが、一回法・二回法の議論と切り離せなくなってくるのです。

当院のバイコンインプラントと術式選択の考え方

中目黒コヤス歯科では、バイコンインプラント(Bicon Dental Implants)を採用しています。このシステムの何が特別かというと、多くのインプラントがネジ(スクリュー)で土台を固定するのに対し、バイコンは1.5度ロッキングテーパー構造という独自の仕組みで、インプラント体と土台(アバットメント)をはめ込むように接続します。

この構造の何が優れているか。ネジを使わないため、つなぎ目に微細な隙間がほとんど生じません。結果として、細菌の侵入を防ぐ「バクテリアルシール」が非常に高いレベルで実現されます。ネジのゆるみやそれに伴う炎症といった、従来型で起こりがちなトラブルを構造的に避けられるわけです。一回法のように治癒中も露出させる場面でも、この密閉性は大きな安心材料になります。

もう一つ注目してほしいのが、プラトー(フィン)デザインです。一般的なネジ型と違い、バイコンはヒレ状の構造を持ち、そのすき間に骨が三次元的に入り込んで結合します。学術的な報告では、この形状によって天然歯に近いハバース管(Haversian canal)を持つ成熟した骨が形成されるとされています。単にくっつくのではなく、生きた骨として育っていく。ここが強度と長期安定性の鍵なんです。

さらにバイコンはショートインプラントのパイオニアとしての長い歴史を持ちます。骨の高さが足りない症例でも、短いインプラントで対応できることが多く、大がかりな骨造成を回避できるケースが少なくありません。これは「骨が足りないから二回法で骨移植を…」という選択の前に、そもそも侵襲の少ない道が開ける、ということでもあります。数多くの臨床論文がその長期的な安定性を裏づけており、私も日々の診療でその信頼性を実感しています。

加えて当院では、院長が歯学博士として全身の視点から治療を組み立てています。骨がしっかり育つには、栄養状態も無関係ではありません。栄養療法・分子整合医学の考え方を取り入れ、タンパク質やビタミン、ミネラルといった土台づくりにも目を向けながら、インプラントが長持ちする体内環境を一緒に整えていきます。術式の選択だけでなく、その先の「治る力」まで見据える。これが中目黒の歯医者として私が大切にしている姿勢です。

よくある質問

一回法のほうが痛みや腫れは少ないのですか?

傷口が一か所で済むぶん、二回目の手術がない一回法のほうが術後の負担はおだやかな傾向にあります。ただ、痛みや腫れの程度は骨の状態や体質、埋入本数によっても変わります。一回法だから必ず楽、二回法だからつらい、と決めつけず、ご自身の症例に合った方法を選ぶことが結果的に一番の近道です。

骨が少ないと言われましたが、二回法しか選べませんか?

そうとは限りません。当院が採用するバイコンインプラントはショートインプラントの実績が豊富で、骨の高さが不足していても骨造成を回避できるケースが多くあります。まずは精密な検査で骨の状態を評価したうえで、一回法・二回法を含めた選択肢をご提案します。あきらめる前に一度ご相談ください。

術式は自分で選べるのですか?

ご希望は当然うかがいますが、最終的には骨の量や質、感染リスク、審美性などを総合して、医学的に最適な方法をご提案します。患者様の負担を減らしたいという思いと、確実に長持ちさせたいという思い。この両方を天秤にかけながら、納得いただけるまで一緒に考えていくのが当院のスタイルです。

まとめとご相談のご案内

一回法と二回法は、どちらが優れているという話ではなく、あなたの骨や口腔内の状態にどちらが適しているか、という問題です。負担の少なさを取るのか、治癒環境の確実さを取るのか。その判断には、精密な診断と、使用するインプラントシステムへの深い理解が欠かせません。バイコンの1.5度ロッキングテーパー構造やプラトーデザインは、この選択の幅を大きく広げてくれます。

中目黒駅近くの当院では、CT検査による精密な診断のもと、栄養面まで含めた全身的な視点で、あなたにとって本当に納得できるインプラント治療をご提案しています。術式に迷っている方、他院で骨が足りないと言われた方も、まずはお気軽にご相談ください。あなたの疑問に、時間をかけて丁寧にお答えします。

中目黒コヤス歯科 院長 小安正洋

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