2026.08.03予防歯科

歯ぎしり・食いしばりが歯周病を悪化させる?ナイトガードで守る方法|中目黒

朝起きたときに顎がだるい、あるいは奥歯がなんとなく浮いたような感じがする。歯科医院で「歯ぎしりしていますね」と言われても、寝ている間のことだから自分では実感がわかない。そんな声を診療室でよく耳にします。実はこの無意識の歯ぎしりや食いしばりが、じわじわと歯周組織を蝕んでいることは、あまり知られていません。

虫歯や歯周病というと、多くの方が「細菌」だけを思い浮かべます。しかし現場で長年患者様を診てきて痛感するのは、噛む力のコントロールが崩れた口の中では、同じケアをしていても歯周病の進行スピードがまるで違うということです。今回は、歯ぎしり・食いしばりと歯周病の関係、そしてナイトガードがなぜ有効なのかを、できるだけ具体的にお話しします。

なぜ歯ぎしり・食いしばりが歯周病を悪化させるのか

歯周病そのものの原因は、歯周ポケットに潜む細菌が作り出す炎症です。ここは大前提として揺らぎません。ただ、そこに過剰な咬合力(噛む力)が加わると話が変わってきます。炎症で弱った歯を支える骨や靭帯に、繰り返し強い力がかかると、破壊が加速するのです。これは「咬合性外傷」と呼ばれ、細菌性の炎症と力の負担が合わさったとき、骨吸収が一段と進みやすいことが臨床的に知られています。

数字で見るとイメージしやすいと思います。食事のときに歯にかかる力はせいぜい数十kg程度で、しかも一瞬です。ところが睡眠中の歯ぎしりでは、自分の体重を超えるような力が、長いときには数分単位で持続してかかることがあります。日中の食いしばりも、意識していないだけで一日の総量になると相当なものです。この「時間×強さ」の負担が、歯周組織にとって想像以上の重荷になります。

実際の診療でも、しっかりブラッシングができていてプラークコントロールは良好なのに、特定の奥歯だけ骨が下がっている、歯がグラグラする、というケースに出会います。レントゲンを見ると、力が集中している歯の周りだけ骨の吸収像が目立つ。こうした患者様には、細菌へのアプローチだけでなく、力のマネジメントが欠かせないと考えています。

自分では気づきにくい歯ぎしり・食いしばりのサイン

歯ぎしりには、ギリギリと音が鳴るグラインディングだけでなく、音が出ないクレンチング(食いしばり)やタッピングがあります。特にクレンチングは家族にも気づかれず、本人の自覚もほとんどないため厄介です。「私は歯ぎしりしていません」とおっしゃる方でも、口の中を見ると明らかな痕跡が残っていることが少なくありません。

チェックしてほしいサインをいくつか挙げます。頬の内側の粘膜に白い線(圧痕)がある、舌の縁に歯型のような波打ちがある、朝の顎の疲れやこめかみの張り、原因不明の知覚過敏、詰め物がよく取れる、奥歯の噛む面が平らにすり減っている——こうした所見は、力が過剰にかかっているサインです。

日中の食いしばりについては、パソコン作業やスマホ操作、運転、集中して家事をしているときなどに、無意識に上下の歯が触れ合っていないか意識してみてください。本来、安静時の上下の歯はわずかに離れているのが正常です。常に接触している状態が続くと、それだけで筋肉も歯も疲弊します。まずは「気づくこと」が、対策の第一歩になります。

ナイトガードが歯と歯周組織を守る仕組み

そこで登場するのがナイトガード、いわゆる就寝時に装着するマウスピースです。役割はシンプルで、歯と歯の間にクッションを一枚挟むこと。これにより、歯ぎしりで発生する強大な力を分散し、特定の歯に集中する負担を和らげます。歯そのもののすり減りや破折を防ぐと同時に、歯を支える骨や歯根膜へのダメージも軽減できるわけです。

歯周病の観点で言えば、ナイトガードは炎症を「治す」道具ではありません。あくまで力による悪化を食い止めるためのブレーキです。歯周治療で細菌をコントロールし、炎症を抑え込んだうえで、そこに追い打ちをかける咬合力を遮断する。この両輪がそろって初めて、揺れていた歯が安定してくるのを何度も経験してきました。特に歯周治療の途中や、治療後のメンテナンス期において、ナイトガードは静かに大きな仕事をしてくれます。

市販のマウスピースも存在しますが、既製品は噛み合わせが合っていないことが多く、かえって顎に無理な負担をかけたり、外れて誤飲のリスクがあったりします。歯科医院で歯型を採って作るオーダーメイドのナイトガードは、一人ひとりの噛み合わせに合わせて調整するため、フィット感も効果も段違いです。装着後も定期的にすり減り具合を確認し、微調整していくことをおすすめしています。

力のコントロールは全身の健康ともつながっている

歯ぎしり・食いしばりの背景には、噛み合わせのアンバランスだけでなく、精神的なストレスや睡眠の質、生活習慣が深く関わっています。ここが歯だけを見ていては解決しきれない難しさです。日中の緊張が睡眠中の歯ぎしりに反映されることもあれば、睡眠時無呼吸との関連が疑われるケースもあります。

そこで私は、ナイトガードで歯を守りながら、なぜ食いしばってしまうのかという背景にも目を向けるようにしています。姿勢や噛み癖のアドバイス、日中の食いしばりに気づくためのセルフケア、そして睡眠や栄養状態の見直し。栄養面では、筋肉の緊張やストレス耐性に関わる栄養素の不足が、間接的に食いしばりを助長している場合もあります。

口の中の問題を、口の中だけで完結させない。この視点を持つと、対症療法で終わらず、根本的な負担の軽減につながっていきます。歯周病もまた、糖尿病をはじめとする全身疾患と双方向に影響し合うことが分かっています。だからこそ、力・細菌・全身状態を一体で考えることが、遠回りのようで確実な近道だと感じています。

中目黒コヤス歯科の考える「守る」歯科医療

当院では、歯周病治療において「細菌のコントロール」と「力のコントロール」を車の両輪として捉えています。院長である私は歯学博士として研鑽を重ねてきましたが、その中でも一貫して大切にしているのが、目の前の症状だけでなく、その原因となる背景まで踏み込む姿勢です。ナイトガードひとつ作るにも、噛み合わせ全体を診てから設計します。

また当院では、歯を失ってしまった場合の選択肢として、骨との結合に優れたバイコンインプラントを採用しています。歯ぎしり・食いしばりの強い方は、インプラントを長持ちさせるうえでも力のマネジメントが極めて重要になるため、こうしたケースでもナイトガードとの併用を丁寧にご提案しています。さらに、分子整合栄養医学の視点を取り入れ、栄養状態から歯と歯周組織の健康を支える全身的アプローチも行っています。

中目黒で歯科・歯医者をお探しの方の中には、「歯周病がなかなか良くならない」「歯ぎしりを指摘されたけれど放置している」という方が多くいらっしゃいます。原因を一つに決めつけず、あなたの口の中で何が起きているのかを一緒にひも解いていく。それが当院の役割だと考えています。

よくある質問

ナイトガードは毎晩つけないと意味がないですか?

歯ぎしりや食いしばりは睡眠中に無意識で起こるため、できるだけ毎晩装着していただくことをおすすめします。たまにしか使わないと、装着していない夜に集中して歯へ負担がかかってしまいます。慣れるまで違和感を覚える方もいますが、多くの場合は数日〜数週間で自然に装着できるようになります。

ナイトガードをつければ歯周病は治りますか?

ナイトガードは歯周病を直接治すものではなく、噛む力による悪化を防ぐためのものです。歯周病の改善には、歯石除去やブラッシング指導といった細菌へのアプローチが基本になります。両者を組み合わせることで、治療効果が安定しやすくなると考えてください。

市販のマウスピースでも代用できますか?

応急的には使えますが、長期的にはおすすめしにくいのが正直なところです。既製品は噛み合わせが合わず、顎関節に負担をかけたり効果が不十分だったりします。歯科医院で歯型を採って作るオーダーメイドのものは、フィット感・耐久性・調整のしやすさで大きく優れています。

まとめとご相談のご案内

歯ぎしり・食いしばりは、自覚がないまま歯周組織へ静かにダメージを与え続ける、見えにくい脅威です。細菌のケアだけでなく、噛む力をコントロールすること。この両方がそろってはじめて、歯を長く守ることができます。ナイトガードは、そのための頼れる味方です。

中目黒駅近くの中目黒コヤス歯科では、歯周病治療から噛み合わせ、栄養面まで含めた全身的な視点で、一人ひとりに合ったケアをご提案しています。朝の顎のだるさや歯のすり減りが気になる方、歯周病がなかなか改善しない方は、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの歯を守るための一手を、一緒に見つけていきましょう。

中目黒コヤス歯科 院長 小安正洋

中目黒コヤス歯科へのご相談・ご予約

この記事の内容について気になることがあれば、診察でお口の状態を確認したうえでご説明します。まずはお気軽にご相談ください。

▶ WEBで予約する(24時間受付)

お電話でのご予約・お問い合わせ:03-3794-0888

診療時間 月〜金 10:00〜13:45 / 15:00〜19:00 土 10:00〜17:00(休み時間なし) 日・祝 休診
※受付終了は診療時間終了の45分前です。

アクセス 〒153-0051 東京都目黒区上目黒3-1-14 モデリアブリュット中目黒101(中目黒駅 徒歩3分)
地図・行き方 |
医院のご案内

アクセス



〒153-0051東京都目黒区上目黒3−1−14
モデリアブリュット中目黒1F
TEL:03-3794-0888
 
診療時間 月 火 水 木 金 土 日祝
10:00〜13:45 ○ ○ ○ ○ ○ ★ -
15:00〜19:00 ○ ○ ○ ○ ○
※日曜・祝日は休診となります。※受付終了は診療時間終了の45分前となります。
★印の土曜日は10:00〜17:00の診療となり休み時間はありません。

〒153-0051東京都目黒区上目黒3−1−14
モデリアブリュット中目黒1F
TEL:03-3794-0888
 
 
診療時間 月 火 水 木 金 土 日祝
10:00〜13:45 ○ ○ ○ ○ ○ ★ -
15:00〜19:00 ○ ○ ○ ○ ○

※日曜・祝日は休診となります。
※受付終了は診療時間終了の45分前となります。
★印の土曜日は10:00〜17:00の診療となり休み時間はありません。