2026.08.14インプラント

高血圧の薬を飲んでいてもインプラントは可能?中目黒の歯科が解説

「血圧の薬を毎日飲んでいるのですが、インプラント手術って受けられるんでしょうか」。診療室でこの質問を受ける機会は、本当に多いです。特に50代以降の患者様からは、ほぼ毎回といっていいほど聞かれます。高血圧で通院している自分が、外科手術を伴うインプラントに踏み切っていいものか。麻酔で血圧が上がって倒れたりしないか。そういった不安を抱えたまま、相談に来られる方の表情には、期待と心配が入り混じっています。

結論から先にお伝えすると、高血圧で服薬中の方でも、多くの場合インプラント治療は可能です。ただし、そこにはいくつかの条件と、事前の丁寧な準備があります。血圧の数値だけを見て「大丈夫」「ダメ」と単純に判断するものではありません。この記事では、実際の診療現場で私がどう考え、どう対応しているのかを、できるだけ具体的にお話ししていきます。

高血圧の方がインプラント手術で気をつけるべきこと

高血圧そのものが、インプラントの絶対的な禁忌になることはほとんどありません。問題になるのは、血圧のコントロールがきちんとできているかどうか、という点です。薬を飲んでいても数値が乱高下している方と、服薬によって安定している方とでは、リスクの度合いが全く違います。実際の診療では、まず普段の血圧の記録を見せていただくことから始めます。

手術中に最も警戒するのは、緊張や痛みによる急激な血圧の上昇です。歯科の外科処置では、局所麻酔に含まれる血管収縮薬(アドレナリン)が血圧に影響することがあります。そのため、高血圧の方には血管収縮薬の量を調整したり、別の種類の麻酔薬を選択したりします。私自身、緊張が強い患者様に対しては、手術前に深呼吸をしていただく時間を意図的に作るなど、精神的な負担を減らす工夫を欠かしません。

一般的な目安として、収縮期血圧が180mmHgを超えるような状態では、その日の手術は延期します。無理に進めることは、患者様の全身の安全を守る立場として行いません。逆に、内科の主治医と連携しながら血圧を整えていけば、多くの方が安心して治療を受けられます。中目黒で歯医者をお探しの方で、持病があって不安という方こそ、こうした全身管理を丁寧に行う歯科を選んでいただきたいと思います。

服薬中の薬の種類によって注意点が変わります

高血圧の薬といっても、その種類は実にさまざまです。カルシウム拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬など、作用の仕組みが異なります。インプラント手術を考えるうえで、これらの薬の種類を正確に把握しておくことは欠かせません。お薬手帳を必ずお持ちいただくのは、そのためです。

たとえば、カルシウム拮抗薬の一部には、歯ぐきが腫れやすくなる副作用が知られています。歯肉増殖と呼ばれる状態で、インプラント周囲の清掃性に関わってくるため、事前に確認しておきたいポイントです。また、抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)を併用している方も少なくありません。高血圧に加えて心疾患などをお持ちで、こうした薬を服用しているケースでは、出血のコントロールについて内科と綿密に相談します。

自己判断で薬を中断してしまう方が、まれにいらっしゃいます。これは非常に危険です。「手術前に血圧の薬を止めたほうがいいと思って」と話される患者様には、自己判断でやめないでくださいとお伝えしています。服薬の調整が必要な場合は、必ず処方している内科の医師の指示のもとで行います。歯科と内科、双方の連携があってこそ、安全な治療が成り立ちます。

低侵襲だから体への負担が少ないバイコンインプラント

持病のある方にとって、手術がどれだけ体に負担をかけるかは切実な問題です。当院ではバイコンインプラント(Bicon Dental Implants)を採用しており、これは高血圧などの全身疾患をお持ちの方にとって、大きなメリットのある選択肢だと考えています。

バイコンの最大の特徴は、スクリュー(ネジ)を使わない1.5度ロッキングテーパー構造にあります。インプラント体とアバットメントを摩擦力で強固に固定するこの構造は、ネジのゆるみがなく、接合部の隙間からバクテリアが侵入するのを防ぐ「バクテリアルシール」を実現します。これにより、インプラント周囲炎などの長期的なトラブルが起こりにくいことが、複数の臨床論文で報告されています。感染リスクを抑えられることは、治癒力に配慮が必要な持病のある方にとって特に重要です。

さらに、独自のプラトー(フィン)デザインは、インプラント表面の凹凸に骨がしっかりと入り込み、天然の骨に近いハバース管(Haversian canal)を含む骨が形成されることが知られています。加えて、バイコンはショートインプラントのパイオニアとして長年の歴史を持ちます。骨の高さが不足している方でも、大がかりな骨造成手術を回避できる可能性が高く、手術時間の短縮と体への負担軽減につながります。高血圧の方の手術は、短時間で済むことそれ自体が安全性の向上に直結します。

中目黒コヤス歯科の全身を診る治療アプローチ

私は歯学博士として、口の中だけを診るのではなく、全身の健康状態と結びつけて治療を組み立てることを大切にしています。高血圧をはじめとする生活習慣病と歯周病には、深い関わりがあることがわかってきています。慢性的な歯周病による炎症が、血管や全身の状態に影響を及ぼすという研究も蓄積されつつあります。

当院では、栄養療法・分子整合医学の視点を治療に取り入れています。骨の再生や傷の治癒には、適切な栄養状態が土台として欠かせません。ビタミンやミネラル、タンパク質の充足度は、インプラントの骨結合(オッセオインテグレーション)の成否にも関わってきます。実際、骨再生の分野では、ポリリン酸カルシウムなどの複合足場材料を用いた研究が進んでおり、2013年のウサギ大腿骨を用いた多孔質ポリリン酸カルシウム構造の研究では、材料の構造が骨の形成に大きく影響することが示されています。また2015年や2019年に報告されたストロンチウムやVEGF(血管内皮増殖因子)を組み合わせた研究では、血流と栄養の供給が骨の再生に不可欠であることが裏づけられています。

こうした最新の知見は、栄養状態が全身の治癒力を支えるという私たちの考え方と一致します。血圧のコントロールと栄養状態を整えたうえで手術に臨むことで、より良い結果につながる。これが中目黒コヤス歯科の一貫した姿勢です。中目黒駅近くで、持病がありながらインプラントを検討している方に、安心して選んでいただける歯科でありたいと考えています。

よくある質問

血圧が高めですが、その日にインプラント手術は受けられますか?

当日の血圧を必ず測定し、状態を確認します。収縮期血圧が180mmHgを超えるなど極端に高い場合は、安全のため延期させていただきます。普段からお薬でコントロールされていれば、多くの場合問題なく手術を進められます。手術前の血圧記録をお持ちいただくと、より的確に判断できます。

手術の前に血圧の薬をやめたほうがいいですか?

自己判断で中断しないでください。血圧の薬は継続したまま手術を受けるのが原則です。調整が必要な場合は、処方している内科の主治医と連携して判断します。安易な中断はかえって危険を招くため、必ずご相談ください。

持病があってもバイコンインプラントは向いていますか?

バイコンインプラントは骨造成を回避しやすく、手術が短時間で済むケースが多いため、高血圧など全身疾患をお持ちの方にはメリットの大きい選択肢です。感染に強い構造も、治癒に配慮が必要な方に適しています。まずは全身状態を含めてご相談ください。

まとめとご相談のご案内

高血圧で薬を飲んでいても、血圧が適切にコントロールされていれば、インプラント治療は十分に可能です。大切なのは、お薬の種類を正確に把握し、内科の主治医と連携しながら、体に負担の少ない方法で安全に進めること。バイコンインプラントのような低侵襲な選択肢は、そうした方にこそ力を発揮します。持病を理由にインプラントを諦める必要は、必ずしもありません。

中目黒駅近くの当院では、全身状態を丁寧に確認したうえで、一人ひとりに合った治療計画をご提案しています。高血圧や他の持病があって不安を感じている方も、どうぞお気軽にご相談ください。お薬手帳をお持ちいただければ、より具体的なお話ができます。まずは一度、あなたの状況をお聞かせください。

中目黒コヤス歯科 院長 小安正洋

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