「予防歯科って、結局いつから始めればいいんだろう」。診療室でこう尋ねられることが本当に多いんです。特に小さなお子さんを連れたお母様、あるいは自分の歯の健康が急に気になり始めた40代・50代の方。タイミングを逃してしまうと、気づいたときには虫歯や歯周病が進んでいた、というケースを私は数えきれないほど見てきました。
結論から言えば、予防歯科に「早すぎる」も「遅すぎる」もありません。ただ、年齢ごとに気をつけるべきポイントはまるで違います。今日は中目黒で長く診療をしてきた立場から、ライフステージごとの予防のはじめどきを、できるだけ具体的にお話ししていきます。
予防歯科は「乳歯が生えたら」がスタートライン
まず一番よく聞かれる、お子さんについて。予防歯科の入り口は、最初の乳歯が生えてくる生後6ヶ月頃です。「え、そんなに早く?」と驚かれますが、歯が一本でも口の中に顔を出した瞬間から、虫歯のリスクは生まれています。
この時期にやるべきことは難しいことではありません。ガーゼで歯を拭ってあげる、寝る前の授乳や哺乳瓶の習慣を見直す。それだけでも将来の虫歯リスクは大きく変わります。実際の診療現場では、1歳半健診で初めて虫歯を指摘されて慌てて来院される親御さんが少なくありません。
私がおすすめしているのは、1歳前後で一度歯科医院デビューをしておくこと。この時期に「歯医者は怖くない場所」という記憶を持ってもらえると、その後の通院がぐっと楽になります。フッ素塗布や生活習慣のアドバイスも、この頃から始めておいて損はありません。
小学生〜10代:歯が生え変わる大事な時期
6歳前後で生えてくる「6歳臼歯」。これは一生使う永久歯の中でも要になる歯ですが、生えたばかりは溝が深く、非常に虫歯になりやすい。しかも奥にあるので、お子さん自身の歯磨きでは磨き残しが出やすいんです。
この時期に有効なのがシーラント(溝を樹脂で埋める予防処置)とフッ素の活用です。歯磨き粉の選び方についても触れておきたいのですが、市販の歯磨剤には様々な機能があります。1989年の研究報告でも、フッ化物にピロリン酸などの成分を加えても、フッ素本来のむし歯抑制作用は妨げられなかったことが示されています。つまり多機能な歯磨き粉でも、フッ素の効果はきちんと期待できるということですね。
また10代は歯列矯正を検討する家庭も増える時期。矯正装置がつくと歯磨きの難易度が跳ね上がるため、この段階で正しいブラッシングを身につけておくことが、後々の歯周病予防にも直結します。
20〜40代:自覚症状が出る前に通う習慣を
大人になってから予防歯科を始める方も、もちろん遅くありません。むしろこの世代こそ、定期的なメンテナンスの恩恵が大きい層です。20代後半から30代にかけて、歯周病は静かに進行を始めます。痛みがないまま進むのが歯周病の怖いところで、気づいたときには歯を支える骨が溶けている、なんてことも。
仕事や子育てで忙しい世代ですが、だからこそ3〜4ヶ月に一度のプロによるクリーニングを習慣にしてほしい。歯石は一度ついてしまうと自分では取れません。歯磨き粉の話に戻れば、歯石を防ぐ成分としてピロリン酸や亜鉛化合物を含む製品もありますが、これらはあくまで歯垢や歯石の「新たな形成」を抑えるもの。すでに固まった歯石には歯科医院での除去が必要になります。
この年代で予防の習慣がついている方は、40代以降の歯の残り方がまったく違います。私自身、若い頃から定期的に通われている患者様が、還暦を過ぎてもご自身の歯でしっかり噛めている姿を何度も見てきました。
50代以降:歯を「守り抜く」ための予防へ
年齢を重ねると、予防のテーマが少し変わってきます。若い頃は虫歯や歯周病を「防ぐ」ことが中心でしたが、この世代では今ある歯を「守り抜く」フェーズに入ります。
特に注意したいのが歯茎が下がって露出する歯の根っこの部分。ここはエナメル質に覆われていないため、虫歯が進みやすい。先ほどの1989年の報告でも、歯石防止歯磨剤が歯根の虫歯や知覚過敏にどう影響するかは十分に分かっていないと指摘されており、市販品だけに頼るのではなく、専門的なケアと組み合わせることが現実的だと私は考えています。
また、この年代は全身の健康状態と口の中が密接に関わってきます。糖尿病と歯周病の関係はよく知られていますが、栄養状態も口腔の健康を大きく左右します。だからこそ、単に歯を磨くだけでなく、体全体の視点から予防を考える必要があるのです。
中目黒コヤス歯科の予防に対する考え方
当院では、年齢に応じたオーダーメイドの予防プログラムを大切にしています。院長である私は歯学博士として研鑽を積んできましたが、その中で強く感じるのは、口の中だけを見ていては本当の予防にならないということです。
そこで当院が取り入れているのが、分子整合栄養医学(栄養療法)の視点です。歯茎の健康や歯を支える組織は、日々の栄養状態に大きく影響されます。ビタミンやミネラルの不足が歯周病の治りにくさにつながることもあるため、必要に応じて食事や栄養面のアドバイスも行っています。単なるクリーニングで終わらせない、全身を診る予防歯科です。
また、万が一歯を失ってしまった場合の選択肢として、骨との結合に優れたバイコンインプラントも採用しています。予防に力を入れつつ、いざというときの治療の質も妥協しない。それが中目黒で私たちが目指している歯科医療の形です。
よくある質問
子どもの予防歯科は何歳から通えばいいですか?
最初の乳歯が生える生後6ヶ月頃から意識していただくのが理想です。実際の通院デビューは1歳前後がおすすめで、この時期にフッ素塗布や生活習慣の相談を始めておくと、その後の虫歯予防がスムーズになります。
大人になってから予防歯科を始めても意味はありますか?
もちろん大きな意味があります。歯周病は自覚症状のないまま進行するため、何歳からでも定期的なクリーニングを始める価値は十分にあります。始めた時点から歯を残せる可能性が高まりますので、思い立ったときが始めどきです。
市販の歯石予防歯磨き粉だけで予防は足りますか?
予防の補助にはなりますが、それだけでは不十分です。すでに固まった歯石は歯磨き粉では除去できず、歯科医院での専門的なクリーニングが必要です。歯磨き粉はあくまで日々のケアの一部とお考えください。
まとめとご案内
予防歯科に決まったスタート年齢はありません。乳歯が生えたお子さんも、自分の歯が気になり始めた大人の方も、今日が一番若い日です。年齢ごとにやるべきことは変わりますが、共通しているのは「痛くなる前に通う」という一点に尽きます。
中目黒駅近くの当院では、お子さんからご年配の方まで、ライフステージに合わせた予防プランをご提案しています。栄養面も含めた全身的なアプローチで、あなたの歯を長く守るお手伝いをします。中目黒で歯医者をお探しの方、予防歯科を始めたいと思われた方は、まずはお気軽にご相談ください。
中目黒コヤス歯科 院長 小安正洋
関連記事
中目黒コヤス歯科へのご相談・ご予約
この記事の内容について気になることがあれば、診察でお口の状態を確認したうえでご説明します。まずはお気軽にご相談ください。
お電話でのご予約・お問い合わせ:03-3794-0888
診療時間 月〜金 10:00〜13:45 / 15:00〜19:00 土 10:00〜17:00(休み時間なし) 日・祝 休診
※受付終了は診療時間終了の45分前です。
アクセス 〒153-0051 東京都目黒区上目黒3-1-14 モデリアブリュット中目黒101(中目黒駅 徒歩3分)
地図・行き方 |
医院のご案内



