少し個人的な話をします。中目黒コヤス歯科の院長である私は、ADHD(注意欠如・多動症)です。大人になってから診断を受け、現在は投薬を含む治療を続けながら診療にあたっています。ADHDという特性が、私の診療のあり方と深く結びついていると感じるため、あえてお話しします。
ADHDとは——「性格」ではなく脳の特性
ADHDは不注意・多動性・衝動性を主な特徴とする神経発達症のひとつです。性格の問題ではなく、注意の配分や実行機能に関わる脳の働き方の個性と理解されています。大人になって診断される方も少なくありません。診断を受けて良かったのは、自分の特性を客観的に理解し工夫できるようになったことです。
メリット(強みになりうる側面)
- 過集中:興味を持った対象に深く没頭でき、精密な処置や細部の観察で力になります。
- 細部への気づき:多くの情報が同時に目に入る特性は、小さな変化を見逃しにくいことにつながり得ます。
- 好奇心と学習意欲:新しい知識・技術に興味を向けやすく、学び続ける原動力になります。
デメリット(困りごとと対策)
- 不注意→チェックリストやダブルチェック、スタッフの声かけで補う。
- 時間管理→予約枠設計やタイマー、記録の仕組み化で対応。
- 気が散りやすい→集中すべき処置では環境を整え雑音を減らす。
診断・投薬に加え、環境や仕組みの工夫、生活習慣・栄養面のケアを組み合わせて特性と付き合っています。治療は特性を消すためでなく、活かしながら困りごとを減らすためと捉えています(効果や合う方法には個人差があります)。
なぜこの話をするのか
同じ特性で悩む方に「大人でも診断・対処できる」と知ってほしいこと、そして私の診療スタイル——口腔内も口腔外も細かいところまで気になって隅々まで診てしまう——の背景を正直にお伝えしたかったからです。
よくある質問
ADHDの歯科医師に診てもらって大丈夫ですか?
適切な治療・工夫・仕組みで困りごとを補えます。チェック体制やスタッフ連携で安全性に配慮し、細部への気づきがていねいな診察に活きていると感じています。
まとめ
ADHDは欠点ではなく、強みにも困りごとにもなり得る脳の特性です。診断・治療と工夫を通じて特性と付き合いながら歯科医師を続けています。この経験が、患者さんを細やかに診る姿勢につながっていると信じています。
中目黒コヤス歯科 院長 小安正洋(Dr.COYASS)
※本記事は院長個人の経験に基づく一般的情報であり、診断・治療を勧奨・保証するものではありません。診断・治療は専門医療機関にご相談ください。効果には個人差があります。




