「上の奥歯にインプラントを入れたいのですが、骨が足りないので骨造成が必要です」——他院でこう言われて、当院に相談にいらっしゃる方が本当に多いです。上顎、特に奥歯のあたりは、上顎洞(じょうがくどう)という空洞が近くにあって、歯を失ってから時間が経つと骨がどんどん薄くなっていきます。そこにインプラントを入れるには骨を足す手術が必要になり、費用も期間も膨らんでいく。そんな説明を受けて、頭を抱えてしまうお気持ち、よく分かります。
ただ、実はここで一度立ち止まってほしいのです。骨造成が「本当に必要なケース」もあれば、「他の方法で回避できるケース」もあります。この違いを知らないまま高額な骨造成に踏み切るのは、少しもったいない。今日は、上顎のインプラントと骨造成、そして気になる費用や分割払いのことまで、中目黒で診療している私の視点から率直にお話しします。
なぜ上顎の奥歯は「骨が足りない」と言われやすいのか
上の奥歯を失った方のレントゲンを見ると、歯があった場所のすぐ上に大きな空洞が写っています。これが上顎洞、いわゆる副鼻腔の一部です。歯が健康なうちは歯根がしっかり骨を支えていますが、抜けてしまうと、そこにかかる力がなくなり、骨は「もう使わない」と判断して痩せていきます。専門的には廃用性萎縮と呼ばれる現象ですね。
さらに上顎洞は年齢とともに下へ広がる傾向があり、歯を失った期間が長いほど、インプラントを埋めるための骨の高さが足りなくなります。実際の診療でも、抜歯から5年、10年経ってから相談にいらっしゃる方の多くで、この骨の高さが5mm以下、というケースは珍しくありません。
こうした場合、従来はサイナスリフトやソケットリフトといった、上顎洞の底を持ち上げて骨を足す手術(骨造成)が選択されてきました。これは確立された有効な方法ですが、体への負担、治癒を待つ期間、そして費用という三つのハードルがどうしても生じます。
骨造成にかかる費用と、期間のリアル
骨造成の費用は術式によって幅がありますが、ソケットリフトで数万円〜十数万円、より大きく骨を作るサイナスリフトになると片側で15万〜30万円程度が一般的な相場です。これはインプラント本体や被せ物の費用とは別にかかります。つまり、上顎の奥歯を1本インプラントにするだけで、骨造成込みで50万円を超えてくることも十分あり得るわけです。
費用だけの問題ではありません。骨造成をすると、足した骨が自分の骨と結合して安定するまで、数ヶ月から長い場合は半年以上の治癒期間が必要になります。その間、インプラントの埋入を待つことになりますから、治療全体が1年近くに及ぶことも。仕事や生活のスケジュールを考えると、この期間の長さが負担になる方は多いです。
ここで私がいつもお伝えしているのは、「骨造成ありき」で話を進めないでほしい、ということ。骨を作る技術そのものは素晴らしいものですが、患者さんの骨の状態によっては、そもそも骨造成をしなくて済む選択肢が存在するのです。
骨造成を回避できる「ショートインプラント」という選択
当院が採用しているのはバイコンインプラント(Bicon Dental Implants)です。バイコンは、いわゆるショートインプラントのパイオニアとして40年以上の歴史を持つシステムで、短くても十分な力を発揮する設計に長けています。上顎の骨が薄い方にとって、これは大きな意味を持ちます。
一般的なインプラントは長さを確保するために骨造成が必要になりますが、バイコンは6mmや5mm、さらに短いタイプまでラインナップがあり、限られた骨の高さでも埋入できるケースがあります。つまり、他院で「骨を作らないと無理」と言われた方でも、骨造成を回避してインプラントできる可能性がある、ということです。実際、上顎洞までの距離がわずかしかない方に、ショートインプラントで対応できたケースを何度も経験してきました。
「短いと強度が心配では?」と思われるかもしれません。ですが、バイコンの安定性は長年の臨床論文によって裏付けられています。その秘密が、次にお話しする独特の構造にあります。
バイコンの構造がもたらす、長期安定と骨の再生
バイコンの最大の特徴は、被せ物とインプラント体をつなぐ部分にスクリュー(ネジ)を一切使わない「1.5度ロッキングテーパー構造」を採用している点です。わずかな角度で摩擦により固定するこの仕組みは、ネジのゆるみや破折といった、従来型インプラントで起きがちなトラブルを構造的に防ぎます。
さらに重要なのがバクテリアルシールです。ネジでつなぐタイプは、どうしても接合部にわずかな隙間ができ、そこから細菌が侵入して炎症(インプラント周囲炎)の原因になることがあります。ロッキングテーパー構造は接合部を密閉するため、細菌の侵入経路を極めて小さく抑えられる。これは長く使ううえで見逃せない利点です。
そして、バイコン独自のプラトー(フィン)デザイン。表面がネジ山ではなく、ヒレのような段構造になっていて、このフィンの間に自分の骨がしっかり入り込みます。学術的にも、この形状によって天然の骨と同じハバース管(Haversian canal)を持つ成熟した骨が形成されることが報告されており、単に「くっつく」のではなく「本物の骨が育つ」結合が得られます。短くても強い、という安定性の根拠はここにあるのです。
ちなみに、骨と結合する材料の研究は歯科に限らず整形外科の分野でも盛んに進んでいます。たとえば大腿骨頭壊死の治療で、ポリリン酸カルシウムの多孔質構造に成長因子(VEGF)を組み合わせて骨再生を促す研究(2019年)や、ストロンチウムを加えた材料と骨髄細胞の相乗効果を示した報告(2015年)、多孔質構造そのものの機械的特性を検証した研究(2013年)など、骨をいかに再生・支持するかという知見は年々深まっています。バイコンの「骨が育つ設計」も、こうした骨科学の大きな流れの中にあると私は捉えています。
費用の負担を軽くする分割払いのご案内
インプラントは自由診療のため、まとまった費用が必要になります。上顎で骨造成を回避できれば総額を抑えられるとはいえ、それでも一度に払うのは大変だと感じる方は少なくありません。当院では、そうした方に向けてデンタルローンによる分割払いをご用意しています。月々のご負担を抑えながら治療を進められるため、費用面が理由で治療をあきらめてしまうことのないよう配慮しています。
また、インプラント治療は医療費控除の対象になります。一年間の医療費が一定額を超えた場合、確定申告で税金の一部が還付される制度です。分割払いと医療費控除を組み合わせることで、実質的な負担はさらに軽くできます。具体的な支払いプランは、口腔内の状態を診たうえで、治療計画とあわせてご説明しますのでご安心ください。
大切なのは、無理のない形で、納得して治療を受けていただくこと。「いくらかかるか分からないまま進めるのが怖い」という声をよく聞きますが、当院では費用の内訳を事前に明確にお伝えします。
中目黒コヤス歯科が選ばれる理由
中目黒駅近くで診療している当院の院長である私は歯学博士であり、インプラントを含む口腔全体の治療を、単なる「歯の修理」ではなく全身の健康の一部として捉えています。というのも、インプラントが長持ちするかどうかは、手術の技術だけでなく、患者さん自身の骨や歯ぐきの状態、そして全身の栄養状態に大きく左右されるからです。
そこで当院では、栄養療法(分子整合医学)の視点を取り入れ、骨の再生やインプラント周囲組織の治癒に必要な栄養状態を評価しながら治療を進めています。骨がしっかり育つ環境を体の内側から整えることは、バイコンの「骨が育つ設計」と非常に相性が良い。手術だけで完結させず、治った後も長く安定させるための土台づくりまで見据えているのが、他院との大きな違いだと考えています。
「中目黒 歯医者」「中目黒 歯科」でインプラントを探している方、特に上顎の骨造成で悩んでいる方には、一度セカンドオピニオンとして相談していただきたいのです。骨造成が本当に必要か、ショートインプラントで回避できるか、その見極めをきちんとお伝えします。
よくある質問
他院で骨造成が必要と言われましたが、本当に避けられますか?
すべてのケースで回避できるわけではありませんが、上顎洞までの骨の高さや幅、骨の質によっては、ショートインプラントを用いて骨造成なしで対応できる可能性は十分あります。CT撮影で正確に骨の状態を確認したうえで判断しますので、まずはご相談ください。
ショートインプラントは長さが短くて、すぐ抜けたりしませんか?
バイコンのショートインプラントは、プラトー(フィン)デザインによって天然に近い成熟した骨が形成され、長さの短さを構造でカバーしています。長期の臨床論文でも高い生存率が報告されており、短いこと自体が不安定さに直結するわけではありません。
分割払いにすると総額は高くなりますか?
デンタルローンには金利が含まれるため、一括払いに比べると総支払額はやや増えます。ただし月々の負担を抑えられ、医療費控除との併用で実質負担を軽くできる場合もあります。ご希望に応じて複数のプランをご提案します。
まとめとご相談のご案内
上顎のインプラントで「骨造成が必要」と言われても、それが唯一の道とは限りません。バイコンのショートインプラントなら骨造成を回避できるケースがあり、体への負担も治療期間も費用も抑えられる可能性があります。ネジを使わない構造による長期安定、骨が育つ設計、そして栄養面まで含めた全身的なアプローチ——これらを組み合わせることで、より安心して長く使えるインプラントを目指せます。中目黒駅近くの当院では、費用の分割払いのご相談やセカンドオピニオンにも丁寧に対応しています。骨造成や費用のことで迷っている方は、どうかお一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
中目黒コヤス歯科 院長 小安正洋




